キャットフードの原材料(肉副産物・ミート副産物・肉骨粉・ミートミール)の真実とは?
市販の安価なキャットフードの原材料の中で、最も気をつけた方がいい原材料に、ミートミールや肉副産物、肉骨粉などがあります。名前にミートや肉と入っているから、お肉ではないの?と考えても不思議ではないです。
しかしこの、ミートミール・肉副産物などの表記の原材料は、わたしたちが食べているお肉とは全く別のものなのです。
キャットフードにはきちんとしたお肉が使われているのではないの?と考えていた飼い主さんには驚きの事実ですよね。
そこで今回は、キャットフードの原材料の中でも、ミートミールや肉副産物、肉骨粉などと書かれているものの真実を見ていくことにしましょう。
キャットフードに使われるお肉の定義とは?
キャットフードに使っていいお肉は、それぞれの国によって厳密に規制が定められています。ペットフードの公正競争規約では、新鮮な動物の生肉や肉体部分、内臓や骨などの副生物や加工物と決められています。
これらのお肉は主に、鶏肉や牛肉、豚肉、ラム肉やウサギ肉、鹿肉などの生肉、これらの動物の加工肉であるミートミールや肉骨粉などがあります。
ミートミール・肉副産物・肉骨粉とは?
ミートミールや肉副産物、肉骨粉もキャットフードに使っていい原材料と決められてはいますが、これらの原材料は、枝肉と呼ばれる人の食べられるお肉の部分を除いた部位を、高温で加熱して加工したものです。(1)ミートミール(肉粉)
動物の脂肪部分を除いた、血液、毛、つめ、クチバシ、くず皮、糞、胃などを高温で加熱したものを細かく砕いて粉にしたものです。
そして、胃に含まれる消化酵素(ペプシン)で消化できない残留物が12%のものを指します。
(2)肉副産物
動物の肉以外の加工されていない、脳、腎臓、肺、肝臓、膵臓、血液、骨、胃(内容物以外の部分)脂肪部分などを加工したものを指します。
(3)肉骨粉(ミートボーンミール)
肉粉(ミートミール)に肉と骨を混ぜ合わせて加工したものを指します。
一見人が食べられないくず肉を、キャットフードの原材料にしているのではないかと思われるかもしれません。
しかし、これらの原材料は猫ちゃんの身体にとって絶対によくないとは言い切れないのです。
くず肉と考えてしまうのはあくまで飼い主である人間目線です。
元々小動物を丸ごと食べていた猫ちゃんからすれば、上記のような原材料は昔から食べていたものといえるのです。
ここで問題になるのは、これらの原材料を使っているということではなく、そこに危険な動物の肉が使われているかもしれない事実にあるのです。
ミートミール・肉副産物・肉骨粉は4Dミートの可能性がある
同じミートミールや肉副産物、肉骨粉を作るにしても、その動物が新鮮なものであればそれほど問題ではないでしょう。しかし、これが4Dミートと呼ばれる粗悪なお肉の場合、猫ちゃんにとっていいものとは言い切れません。
(1)4Dミートとは?
4Dミートとはお肉の品質の中でも最低ラインの9ランクに当たるお肉のことです。
1ランクが霜降り肉などの高級肉だとすれば、7ランク以下は人の食べるお肉とは認められていないので、もはや廃棄処分にされるべく危険なお肉です。
●Disabled(障害のある)
●Dying(死にかけの)
●Diseased(病気の)
●Dead(死骸の)
これらの頭文字の「D」をとったものが4Dミートと呼ばれるお肉です。
なぜこのようなお肉を使うのかというと、4Dミートは廃棄されるようなお肉、いわゆるゴミのようなものなので、安く仕入れることができます。
そのため、価格の安いキャットフードを作るための原材料として使われているのです。
しかも、4Dミートを使ってミートミールや肉副産物、肉骨粉を作ったとしても、ハッキリと表示する義務がないのです。
キャットフードを買う飼い主さんから見ても、肉類や、肉副産物など「肉」と表示されているのを見れば、お肉が入っているのかと安心しますよね?
しかし、4Dミートを見分ける術はありませんので、できるだけ原材料にミートミールや肉副産物などと表示されているキャットフードは選ばないに越したことはないでしょう。
安心・安全なキャットフードを見極めるためには?
キャットフードについての知識が少しでもある飼い主さんからすると、今回のテーマであるミートミール・肉副産物・肉骨粉などという原材料はよくないものだと理解していることが多いでしょう。そして、これらの原材料にはもしかしたら4Dミートが使われている可能性がなきにしもあらずです。
しかし、現在ほとんどのキャットフードメーカーでは、殺菌や加熱などきちんと管理されて作られているので、安易に情報を鵜呑みにしないように気をつけましょう。
まとめ
ミートミールや肉副産物、肉骨粉などは、人が食べる部分ではない部位が使われているということがわかりましたね。だからといって、絶対に猫ちゃんに与えてはいけない原材料ではないことも同時に理解して頂けたのではないでしょうか。
良質なキャットフードは原材料に、チキンや豚肉、羊肉などの明確なお肉の名前の記載があるものを選んだ方がいいことは間違いないです。
ですが、内臓の部分にも栄養がたっぷりあることを知っておけば、ミートミールなどの原材料に過敏にならなくてすむのではないでしょうか。